きらめ樹KAERU工房 基礎編 1
みなさま、おはこんにちばんは! スタッフ村民の健ちゃんと申します。
2011年 晴家村の発足当初から、ちょろりんぽんと顔を出して、開拓のお手伝いをしています。
2017年5月21日(日) 二十四節氣では小満になり、夏の気配を感じるような季節の中。
記念すべき第一回「建築ワークショップ」を開催させていただきました。
初回のワークショップに参加できなかった方にも、進行がわかりやすいようにレポートにまとめてみました。
まだまだ建築ワークははじまったばかりです。
このレポートを参考にして、ぜひぜひ今度のワークショップにご参加下さい☆彡
事の始まりは2016年の秋。晴家村の代表であるパラソル先生が譲り受けた、誰も住んでいなくて放置されていたプレハブ。
これを解体して、製材工房に利用できたらいいね!ということからはじまりました。
解体前のプレハブ
古民家の大家さんの今村さんや、高野さん達のおかげで綺麗にバラしていただきました。
躯体は鉄骨で、かなり頑丈そうです。
解体前のプレハブの基礎は、コンクリブロック2段でした。
解体した部材を、晴家村の製材工房建設予定地まで移送してありました。
なかなかスケジュールが合わずに部材が置きっぱなしになっていましたが、
それがこの度、晴れてめでたく着工できることになった訳です!!
製材工房の建設予定地
記念すべき第一回「建築ワークショップ」の講師を務めていただくのは、平沼広行様。
ニックネームはその名も「組長」ですw
<プロフィール>
神奈川県茅ヶ崎市で平沼組と言う会社の代表で、神奈川県を中心に住宅の基礎工事をしています。
1970年5月生まれ、2歳と5歳の二児のパパ、建築業界に25年以上携わっています。
建物を作るにあたり、1番重要な土台になる基礎、地味で目立たないところですが、1番大切な部分です。
物事や人生においても、その基礎になる部分が、しっかりとしていないと、どんな上物が建っても、不安定で歪みや不具合が必ず出てきます。
その基礎的なことをしっかりと築き上げることができれば、あとは、決して難しくありません!
全ては、紙とえんぴつがあれば、形にすることができます。
大切なのは、こんなものを作りたいと言うイメージで、想像力です。
建物を建てると言うことは、決して難しいことではありません。
昔は、町内で、近所で、協力しながら、家を作っていました。
誰にでもできます!
ただ、そのやり方を知ってるか、知らないかだけです。
そのシンプルで、単純なことを、皆様にお伝えしたい、それが、建物だけではなく、人生を築き上げる上でも基礎に繋がると思います。
一緒に、頭の中にあるイメージを形にしていきましょう!
プレハブの大きさは長手9410mm × 短手4800mm
この大きさの鉄骨が乗るように、基礎となるコンクリートブロックを積んでいきますよ~。
地面は平らではないので、適当にブロックを並べてその上に建物を乗っけても、
グラグラ傾いてしまいます。
人間も体の歪みがあると、体のいたるところに負担がでてきます。
それは建物にも言える事で、傾きのないガッチリとした基礎で体を支えてあげることが、何よりも大事です。
そこでまずはコンクリートブロックの基礎を並べる基準をつくらなくてはなりません。
今回作業する「水盛り・遣り方」(みずもり・やりかた)とは 、工事を着手する前に 建物の正確な位置を出す作業のことで、
別名、丁張り(ちょうはり)とも言います。
手始めに大きな直角三角形をつくります。
今回はメジャーを使って3m×4m×5mの直角三角形をつくりました。
メジャーの目盛りの0m(12m) ・4m ・7m を角にして、ペグを打っておきます。
さてここからは数学の時間になってしまうのですが、なぜ 辺の長さが3×4×5の三角形 は、
なぜ直角三角形になるのかといいますと、中学校で習った「三平方の定理」が役にたつわけです。
今から2500年ぐらい前に活躍した「ピタゴラス」っていう数学者が発見した、
別名「ピタゴラスの定理」とも呼ばれてるやつです。
「直角三角形の斜辺の2乗は、直角をはさむ辺を2乗して足したものと等しい」
[3の二乗=9] + [4の二乗=16] = [5の二乗=25]になるので、
3×4×5(さしご)は、直角三角形の辺の長さが整数になる、建築などでとても扱いやすい大きさなのです。
さてさて、てなわけで直角三角形ができましたので、この三角形の辺に沿ってメジャーを伸ばしていき、
建物の角になる地点にペグを打っておきます。
長手は直角三角形の4mを延長して9410mm
短手は3mを延長して4800mm
これで建物の4角が出ました。
ではではメジャーも巻き終わったところで、建物の4角になる箇所に打ったペグの周りに、下図のようなものを設営していきます。
まずは掛矢で水杭を打ち込みます。
地面が硬くてなかなか骨の折れる作業です。
丸ノコで水杭を作っている様子。
器械を触ったことがない方も、このワークショップでは講師陣が丁寧に教えてくれますので、DIYなどを始めたい人は経験値あがりますよ~!
作業用にウマがあると便利ですね。
次に水杭に、基準となる水平線をマークしていきます。
さてどうやって水平線を出すのかといいますと、一般の現場ではレーザーを使った機械を用いて計測しているようなのですが、なんだかとても高そうです。
そこでバケツとホームセンターで80円/m のチューブだけでできる、古典的な手法をとりました。
バケツに水を張ってチューブの片方の先端をバケツの中に浸しておきます。
すると「サイフォンの原理」(でいいのかな?)のおかげで、
もう片方のチューブの先端の水は、先端の口を上向きにしておくと、
チューブをどこに移動しても、常にバケツの水面と同じ高さであろうとします。
不思議ですね~!
(※作業中の写真がなかったので、ここからところどころ、webから拝借したイメージ画像が入ります)
水杭にマーキングした線に沿って、水糸を張っていきます。
水糸をはじいて、ズレがないかを確認しておきます。
水糸に合わせて、水貫を打ち付けます。
糸の下合わせだったら、4角を全部下合わせにしておくように注意。
グラグラしないように筋交い貫を入れます。
段々と基準となる丁張ができてきましたね~。
ちょいと休憩。
いよいよコンクリートブロックを積む線を出していきますよ。
下図の水糸が交わったところが建物の角です。
この水糸は建物の大きさにピッタリあってなくてはいけない、非常に重要な箇所です。
(※イメージ図)
水糸の長さをメジャーで計測しながら、建物の寸法にきっちり合わせます。
三角形の斜辺の長さは、またまた登場の「三平方の定理」で出します。
斜辺の部分にメジャーをあてて、長さが違うようだったら、歪んだ長方形になっているということです。
これを両方の対角線が同じ長さになるように、調整をかけていきます。
水糸もきっちり出たところで、早速ブロックを積むための溝を掘り始めたのですが、、、
地面が硬くてどうにもこうにも、なかなか作業が進みません。。。
スコップで手掘りしていたら氣が遠くなりそうなので、今回の作業はここまで~。
次回はユンボを入れて溝を掘り、砕石をいれてブロックを積む作業に入ります。
お楽しみに~!!